平成31年発表の待機児童数から入所・入園がしづらい地区が明らかに(東京23区編)

厚生労働省から全国の市区町村で50人以上の待機児童があるところのデータが公開されました。

公開日は2019年4月12日(平成31年)で、集計日は2018年10月1日のものです。
10月のデータは参考値で、4月から半年経過した中間報告として集計しているようです。

多くの市区町村は11月や12月頃に次年度の申し込み締切を行っています。
ですので、年度途中からの利用申込者や前年度から待ち続けている家庭などが含まれます。

年度途中ですので空きが見つからず待機児童が増える傾向にあると厚生労働省が発表しており、保育所が圧倒的に足りていない、いわゆる受け皿が少ない傾向にある市区町村が明らかになるデータといえるでしょう。

さて早速ですが集計結果をご覧ください。
数値の単位は「」で、空欄の地域は待機児童数が50名以下のためデータの発表がなかったことを指します。


練馬区560
江戸川区537
目黒区475
大田区447
足立区430
葛飾区407
世田谷区365
中央区288
台東区285
渋谷区254
墨田区243
中野区178
板橋区177
荒川区141
文京区92
港区89
江東区53
新宿区
杉並区
千代田区
品川区
豊島区
北区

最も多いのは練馬区で560名、次いで江戸川区の537名です。
年齢の内訳は発表されていませんが、おおよそ0歳から2歳までの待機児童数が地域によりますが大半が7割から9割程度です。

保育士の配置基準は0歳が3名に対して保育者1名、1,2歳は6名に対して保育者1名。
3歳は20名に対して保育者1名、4,5歳は30名対して保育者1名。

500名の待機児童で8割が0,1,2歳、残りが4,5歳であった場合保育者はおよそ
  • 0歳:44名
  • 1歳:22名
  • 2歳:22名
  • 3歳:2名
  • 4歳:2名
  • 5歳:2名
合計94名必要になります。

この数値は非常に雑な計算でおおよそになりますが、500名の待機児童には少なくとも100名程度の保育者が必要になることが分かりました。

しかし100名居れば待機児童がゼロになるのか?そんなことはありません。
これは国基準の計算であり、実際には0歳2名に対して保育者を1名配置したり、開所時間は8時間以上ありますから保育者にはシフトがあります。これを考慮すれば2倍の保育者が必要になりますし、園長や主任も居てそれぞれ年中働くわけにはいきませんから3倍欲しいところです。

500名の待機児童には300名の保育者が必要なことが分かりました。

どうでしょう、待機児童の受け皿不足が深刻であることが理解できましたでしょうか。

この数値を少ないと思った方、人材がどれだけ必要なのか理解してはじめてこの問題の奥深さを知ることができると思います。

地域によっては年齢別の待機児童数を発表しているところもありますから実際に必要な人材料を計算してみてください。

唖然とすることでしょう…。

人材不足の地域ランキングでもあり、入園しづらい地域ランキングでもある今回の発表。みなさんの地域の現状はどうだったでしょうか。