現役保育士が教える保育園の認可・認証・無認可によるサービスの違い

昨今、株式会社がこぞって保育園の事業を立ち上げていますが、保育園といっても認可・認証・無認可の3種類があります。

この違いを知っておいて保育園の入園活動をして頂きたく記事を書きます。

認可保育所

厚労省が発表する保育所保育指針設置基準など指針や法律に則り運営がなされている施設です。
もっと砕いて言えば国が認める保育園の運営がされているってことです。

詳しく掘り下げますと
  • 職員配置基準(保育士)
    0歳児   : 児童  3人につき1人
    1,2歳児: 児童  6人につき1人
    3歳児   : 児童20人につき1人
    4,5歳児: 児童30人につき1人
  • 面積基準
    乳児: 1人につき1.65平方メートル
    幼児: 1人につき1.98平方メートル
などなど基準は細かくあります。また職員配置基準は市区町村の条例でもっと厳しくなっている所もあり、中には職員配置基準を4,5歳児20人につき保育士1名配置するよう定めているところもあります。

また認可保育所は市区町村が入園(入所)の可否を行い、保育料も市区町村が決定・徴収するので手続きはすべて市区町村で実施されます。


認証保育所

こちらは東京都独自の制度です。認可保育所の基準は国が考える子どもを安心安全に保育するための最低基準です。
しかしこの基準を守っていては待機児童が増えるばかりで保育所を設置して受け皿を増やすことができません。
また新しい形で保育所を設置する企業などを後押しするためにも定められた制度です。

基本的に市区町村は指導と運営費の一部を助成するだけですので契約は個人で行います。
保育料は事業者が決定できるので柔軟な対応を行っている場合もあります。

事業者にとって設置の難易度が下がるのがメリットでもありデメリットでもあります。
福祉事業を実施したことのない事業者の場合は注意をしたほうが良いです。


無認可保育所

その名の通り認可もされていなければ認証でもない保育所のことで、設置基準などは言うまでもなくない。
無認可と言われると聞こえは悪いかもしれませんが、夜間保育や24時間開設している施設もあり市区町村が認可する保育所とは違って非常に多彩な保育を実施している場合もあり一概に悪いとは言えない。
もちろん無認可であるため市区町村からの指導が行き届かない現状もあり、利用する場合はどういった施設でどういったサービスをどのように提供しているか見極める必要がある。


認可保育所が一番信頼できるってわけではない

保育所によって保育の質は大きく違う。認可保育所にも種類があり公設公営(市区町村運営設置)、公設民営(市区町村設置、外部運営委託)、民設民営(民間法人設置運営)などあり、サービス内容はまちまち。
複数園希望できるならば現地へ足を運んで保育者の様子、子どもたちの様子を見ると良い。
見極めるポイントは次のとおりです。
  • 職員同士の連携が取れているか
  • 掃除が行き届いているか (保育室や手洗い場、トイレ、職員デスクなど)
  • 何より子どもたちが窮屈な思いをしていないか
難しいですが非常に重要な点です。


まとめ

現場はいつも戦場です。どれだけ保育者に余裕があっても叫びたくなる事件が起きます。
4,5歳児の職員配置基準は30人に対して保育士1人ですけれど、これは相当の指導力と問題解決能力が必要です。

しかしどこにでも言えることは保育者が子どもに対してどんな接し方をしているかです。
子どもへの接し方は事業者の現れでもあります。
一度見学してみて雰囲気を確かめるのは大切なことです。

足を運ぶ保育園選びをしてもらいたいです。

以上、現役保育士の記事でした!